佐野ラーメンってどんなラーメン?
佐野ラーメンは、栃木県佐野市を中心として食べられているご当地ラーメンです。
最大の特徴は竹を使って麺をうつ、青竹打ちの麺。
現在は、その麺に醤油だけではなく塩や味噌など、色々な組み合わせでいただけるようになりましたが、佐野ラーメンの名が広まってきた当時は、あっさりした醤油ラーメンとして紹介されていました。
そう言う経緯もあり、観光客が佐野ラーメンに持つイメージは、今でも青竹打ちのあっさり醤油ラーメンだと思います。
なので、旅情報を紹介しているうちのサイトでは、青竹打ちのあっさり醤油ラーメンを佐野ラーメンとして紹介していきますので、よろしくお願いします。
※この記事に登場するお店は、こちらの動画で紹介しています。
ブログ記事よりも動画の方が実際の雰囲気は分かりやすいと思いますので、ぜひチェックしてみて下さい。
忙しくて全部なんて見てられないよー。という方は、この後紹介する各店のレポートの最後にそのお店を紹介している部分への直リンクを作っておきましたので、そちらを活用してくれると嬉しいです。
佐野ラーメンのふるさと、栃木県佐野市
佐野ラーメンをご当地ラーメンに持つ栃木県の佐野市は、人気のアウトレットモールである佐野プレミアム・アウトレットや
関東の三大師としても知られる佐野厄除け大師がある事でも知られています。
また、藤の花やイルミネーションでも有名なあしかがフラワーパークもすぐ近く。
買い物や観光に訪れた際には、ぜひ佐野ラーメンを味わいたいものですね。
勢いのある一大勢力 田村屋系
田村屋:田村屋系の総本山
最初に紹介するのは、こちら。
現在の佐野ラーメンの中で、一大勢力となっている田村屋系の総本山、田村屋です。
移転して駐車場が広くなりましたね。
この日は平日で雨が降っていましたが開店するやいなや満席となり待ちが出る大盛況。
さすがですね。
待っている間に、メニューが見られますので、注文する物を決めときましょう。
餃子や炙りチャーシュー丼も美味しそう。お腹空いてるときにメニュー見ると、あれもこれも食べたくなって困りますね。
そんな、大人気の田村屋が心情としているのは、一麺一心。
一心不乱に一杯のラーメンを作り続けるという強い意志と熱意が込められているそうです。
こちらで修行して独立された方のお店にも、この一麺一心の言葉が掲げられているそうですよ。
こちらが田村屋の一番人気、味玉チャーシュー麺。
今回は海苔をトッピングしてみました。
最近、ラーメンの麺を海苔で巻いて食べるのがマイブームなんです。
まずは具の味が混じり合わない内にスープから。
スープは鶏をメインとした様々な出汁の旨味を活かしたもの。
醤油の中に感じるほんのり甘くてまろやかな味わい。
どれかが傑出する訳ではないバランスが秀逸。
じんわり舌に旨味が染みこんでいくようです。
そんなスープの中を泳ぐ青竹手打ちの麺は加水率が高くもっちりした食感が楽しめるもの。
食感の楽しい麺とコクのあるスープとの相性は抜群。
チャーシューは舌の上でホロッと崩れ、トロッと溶けていく柔らかいものでした。
あっさりはしているものの、食べ進めていく内に満足感も満たされていく一杯。
まろやかだとかあっさりと言う言葉では片付けられない深みを感じます。
一麺一心の一杯、堪能させてもらいました。
以上、佐野ラーメンの一大勢力、田村屋系の総本山、田村屋の紹介でした。
麺屋 ようすけ:力強さで個性を演じる田村屋系
次に紹介するのはこちら。
広い駐車場を持つ大人気店、麺屋ようすけです。
今回、平日の2時過ぎに訪問しましたが、まだけっこう待ちがある大盛況。
待ち時間の目安は、10組につき15分~25分くらいとの事。
最近、佐野ラーメンの人気店では、発券機による受付をするところが多く、ずっと店頭で並ばなくても良いので助かります。
こちらにも発券機が導入されているので受付を。
そして、順番が来て店内へ。
そこには一麺一心の額が。
そうです。
麺屋ようすけは、田村屋系のお店なんです。
そのメニュー構成は田村屋と似ていますね。
ラーメンの写真が美味しそう。それだけではなく、チャーシュー丼やスタミナメンマ丼も美味しそうです。
こちらが麺屋ようすけのチャーシューメン、煮たまご、海苔トッピングです。
チャーシューを前面に押し出した盛り付けですね。
コク旨醤油と言われるスープは、その名の通りコクがあり旨味もしっかり出ていて味わい深いですね。
田村屋と比較すると若干力強さを感じるものの、けして重くなく軽やかな味わいで、余韻まで美味しいスープでした。
そんなスープの表面を覆い尽くすように並べられたチャーシュー。
トロットロ具合がたまりませんね。
あっさりしたラーメンに重量感をプラスしてくれます。
そして、ようやくご対麺。
もちもちした食感が何とも言えない青竹手打ち麺ですね。
加水率が高いので、最初から最後までそのもちもち具合が楽しめます。
唇を滑る感覚が最高なんですよ。
チャーシューもたっぷりあるので、麺を巻いて食べたりして堪能させてもらいました。
コクうま醤油のスープをたっぷり吸ったマイブームの海苔も美味しかったですね。
田村屋とトッピングで違うのは、ほうれん草がある事でしょうか。
人気があるのも納得の美味しさ。
力強さで個性を演じる田村屋系、麺屋ようすけの紹介でした。
青竹手打ラーメン 日向屋:切れ味と包容力を兼ね備えた田村屋系
続いてはこのお店。
こちらも佐野ラーメン屈指の行列店、日向屋を紹介させていただきます。
訪問したのは、平日の開店30分前。
駐車場にはすでに数台の車が駐まっていました。
こちらのお店も発券機が導入されています。
お店に着いたら忘れずに受付しましょう。
開店時間になったら順番に店内へ。
店内へ入ると、こちらにも一麺一心の額が掲げられています。
そうです。ここも田村屋系のお店なんです。
客席は、カウンター四席・四人掛けのテーブル席が2つ・小上がりにも四人掛けのテーブルが3つと人気に対してキャパは少な目。
混むのはこんな所も影響しているかと。
メニューはシンプルながらもポイントは抑えていますね。
田村屋やようすけのような塩はなく、醤油一本です。
以前、セブンイレブンで日向屋監修の佐野チャーシュー麺が販売されたところを見るとチャーシュー麺が人気なのかな?
こちらが日向屋のチャーシュー麺、煮たまごトッピングです。
取り立てて盛り付けが綺麗と言う訳ではないんですけど、食欲をそそるヴィジュアルですね。
なんといっても目を惹くのが、透明感を感じられる琥珀色のスープ。
その見た目から伝わるあっさりした感じよりも輪郭がはっきりしています。
鶏や豚をベースとした出汁の旨味を際立たせる醤油の使い方が素晴らしいですね。
このスープ、切れ味と包容力を兼ね備えた感がありました。最高です。
デメリットはスープを飲み続けたくなるところかな。
チャーシューは箸で持ち上げるのも難しいくらいホロホロとほぐれる柔らかさが凄いです。
味付けは濃すぎることなくスープの良さを殺さない感じが良いですね。
日向屋の青竹手打ちの麺は縮れが少なく、平打ちっぽくてピロピロした感じが強め。
もちもちではなく歯応えを残した食感で、するする食べられる感覚とのバランスが絶妙です。
その形状の恩恵は、箸で手繰りやすくて食べやすい事にも現れています。
チャーシューで麺を巻いて食べるのもやりやすかったですね。
日向屋だけに、お日様のような煮たまごも美味しいです。
そして、たまたまなのか、ぶ厚いチャーシューが入っていて、お得気分。
田村屋系でも、独自の個性が光る絶品の一杯でした。
これから暑くなってくるので、開店前の涼しい時間に並ぶ事をお勧めします。
以上、佐野ラーメン屈指の行列店、日向屋の紹介でした。
青竹手打ラーメン 日向屋を紹介した動画はこちらから(YouTube)
佐野ラーメンを支え続ける老舗の実力
宝来軒:昭和5年創業 佐野ラーメンの最古参
次のお店は、昭和5年創業。
佐野ラーメンのお店では最古のお店としても有名なのがこちらの宝来軒です。
なんと田村屋が目の前に。
あちらが田村屋で、こちらが宝来軒です。
では、さっそく訪問してみましょう。
最古のお店として有名なので、有名人もたくさん訪問しているようですね。
そのサインも古い物から新しい物まで色々あります。
こちらのお店、ご飯ものはなく、ラーメン一本で勝負しています。
その中でも、ワンタン麺が人気なんだとか。
こちらが宝来軒のワンタンメンです。
チャーシューメンにしなくても大きくて厚みのあるチャーシューが二枚乗ってきます。
あとは隙間を埋めるように乗せられたワンタン。
これは人気あるの分かりますね。
まずはいつものルーティン通りスープから。
醤油を美味しいスープに仕立て上げたという感じですね。
あぁ、ラーメンの醤油スープってこれだよな。って懐かしさをおぼえるスープ。
余計なものを削ぎ落とした正直な美味しさで出汁の旨味をストレートに伝えてきます。
チャーシューは肉感あふれて食感も楽しめるもの。
その味わいも良いですね。
そして、ご対麺。
もちもち、そしてぷるぷるとした食感が楽しい麺です。
青竹で手打ちされた麺の量は多めで満足感を味わえますよ。
ワンタンは大きく食べ応えあり。
ちゅるんと唇をすべる食感が心地良いです。
すぐ近くの田村屋とは性格が全く異なるこの一杯。
食べ比べたら楽しいんじゃないかなぁ?
最古のお店と現在一大勢力となっている大本山。
食べ比べをする事にドラマ性もありますね。
お腹に余裕があったら是非。
以上、佐野ラーメン最古のお店、宝来軒の紹介でした。
森田屋総本店:佐野ラーメンを広げた老舗
佐野ラーメンで老舗と言ったらこのお店を忘れてはいけません。
それが、こちらの森田屋総本店。
栃木県内に何店もの支店を持つ創業60年を超える老舗、森田屋の総本店です。
注文の仕方とメニューのシンプルさのおかげで回転は早めです。
こちら、入店するとすぐのところに会計場所があり、そこで注文してから席に着くシステム。
メニューは中華そばとチャーシューメンだけというシンプルな構成。
こちらが森田屋総本店のチャーシューメンです。
これでもかというように並べられたチャーシューが迫力ありますね。
美味しそうです。
では、スープからいただいてみますね。
出汁がじんわり染み出したかのような優しい醤油スープ。
一口、二口と飲み進めていく内に、身体にじんわりと染みていくようです。
その優しいスープの相棒となる麺は柔らかくて長さも短め。
スープと相まって、とても優しいラーメンという印象です。
一方、チャーシューは柔らかいながらも食感も活きた逸品。
優しいラーメンに力強さをプラスしてくれます。
個人的にこのチャーシューと麺の相性がとても良く感じました。
同じ老舗でも、宝来軒とはかなり性格の異なる森田屋総本店のラーメン。
食べ比べるのも面白いですよ。
以上、優しい佐野ラーメンが食べられる、森田屋総本店の紹介でした。
新風を吹き込む大人気の実力店
青竹手打ちラーメン 大和:元気印の佐野ラーメン
優しい佐野ラーメンから一転、勢いのあるお店を紹介させていただきます。
2020年に北茂呂町から佐野プレミアム・アウトレット方面に近付いた茂呂山町に移転した佐野青竹手打ちラーメン 大和です。
こちら、2020年に移転。お店や駐車場が広くなりました。
こちらの順番待ちのシステムは、独特で
こちらの発券機で受付した後、食券を店内の券売機で購入。
そのままスタッフに食券を渡すことで、はじめて受付が完了するというものです。
そんな大和のメニューはバラエティに富んでまして、佐野ラーメンの象徴とも言える醤油の他、塩や味噌まで取りそろえています。
おつまみやデザート、そして平日ランチ限定のセットメニューなどもありました。
受付後は開店時間まで駐車場で待機。
その後、開店時間となり順番に店内へ。
食券は受付時に渡しているので、オーダーは通っています。
セルフサービスの水を持ってきて、ラーメンがくるのを待ちましょう。
こちらが、大和のチャーシューメン、味玉と海苔トッピングです。
ビジュアルも良い綺麗なラーメンですね。
では、まずスープから。
鶏油が浮かんだコクのある比較的味わいがはっきりしたタイプのスープ。
出汁の旨味と醤油の香りがたまらないですね。
佐野ラーメンの中ではパンチのある方かもしれませんが、全体としてはあっさりに分類されるスープです。
チャーシューはホロホロに崩れるタイプで美味いですね。
そして、このもちもちを通り越したぷりっぷりの麺が印象的。
歯応えの良さもあって、元気な印象のラーメンです。
その印象はスープが明快な美味しさを持っているからと言うのも影響してますね。
そう言う意味ではバランスもいい一杯だと思いました。
佐野ラーメンは同じ青竹打ちでも、様々なタイプの麺があって食べ比べするのが楽しいですね。
どれもジャンルとしてはあっさりという部類のラーメンではありますが、その中でパンチを感じるものや優しいものなど、あっさりと言う一言では言い表せない世界がありますね。
その中で元気印の一杯がいただける、青竹手打ちラーメン 大和の紹介でした。
青竹手打ちラーメン 大和を紹介した動画はこちらから(YouTube)
継承されていく佐野ラーメン
おぐら屋:シンプルイズベストな佐野ラーメン
続いてはこちら。
佐野の中心部から離れ、足利に近いエリアにある人気店、おぐら屋を紹介させていただきます。
こちら、パスタとかピッツァとかが出てきそうなレストラン風の外観をしておりますが、正真正銘、人気の佐野ラーメンのお店です。
そのメニューもラーメンと餃子で勝負する感じのね。
お店の中も駐車場も広く、訪問しやすいのはファミリーレストランに近いものがあります。
家族で訪問しやすそうなラーメン屋さんですね。
そんなおぐら屋のチャーシューメンがこちら。
どんぶりの縁近くまでなみなみとスープが入れられています。
見るからにシンプルなラーメンですね。
そんなおぐら屋の特徴の一つが、鶏ガラで出汁をとった透明な清湯系のスープ。
あふれないように慎重にレンゲですくいます。
後味に甘味を感じるスープは、またひと口またひと口とれんげを口に運ばせます。
チャーシューは肉感も楽しめるちょうど良い固さ。
とは言え、噛むとホロホロと崩れる柔らかさです。
あっさりしたスープとコンビを組む麺はもちもち具合がハンパなく、プツンと切れる歯応えもあって美味しいです。
器は小ぶりに感じましたが、麺のボリュームはなかなかのもの。
満足度の高いシンプルイズベストを具現化した一杯でした。
以上、シンプルでリーズナブルな人気の佐野ラーメンがいただける、おぐら屋を紹介させていただきました。
らーめん大金:継承されたあっさり清湯醤油
最後に紹介する8軒目のお店はこちら。
先ほど紹介したおぐら屋で修行の後、独立して大人気店となったらーめん大金です。
臨時駐車場が用意されているところを見ても人気のほどが分かるかと。
こちらも発券機で受付をして順番を待つシステム。
開店するのをのんびり待ちます。
こちらも、おぐら屋同様ラーメンと餃子をメインとしたメニュー構成。そしてリーズナブルです。
佐野ラーメンのお店は餃子にも力を入れているところが多いですね。
こちらの暖簾は修業先のおぐら屋から贈られたもの。
その旨がしっかり記載されておりました。
注文を済ませ、ラーメンがくるのを待ちます。
こちらが、らーめん大金のチャーシューメンです。
おぐら屋同様、見るからにシンプルな装い。
その中で、厚めに切られた大判のチャーシューが目を惹きます。
さっそく器の縁までなみなみと注がれたスープをいただきましょう。
このスープを表す言葉は、あっさりの極地。
人によっては物足りなく感じる方もいると思われます。
鶏がらと野菜で作った出汁の邪魔をしないかのように醤油が使われていますね。
注文時に油を増すかどうか聞かれるので鶏油を使っていると思われます。
そんな、スープとコンビを組む麺は腰のあるもちもち具合が強いタイプ
ぷりっぷりの麺が美味しいですね。
チャーシューは肉感を感じられる肉厚のタイプ。
味は濃くなく、スープや麺が作り出している世界観を壊さないようにはしているものの存在感は隠せていません。
全体的に腰の強い麺が印象的な一杯ではありますが、スープも修業先のおぐら屋と同様、後味に鶏から出た甘さを感じさせます。
受ける印象は少し違って、個性を感じる仕上がりでした。
ごちそうさま。
帰るときには駐車場も一杯で、行列も伸びていました。
そんな大人気店となったラーメン大金の紹介でした。
沢山ある佐野ラーメンのお店
いかがでしたでしょうか。
今回は青竹打ちの麺とあっさりした醤油スープを特徴に持つ、栃木県佐野市のご当地ラーメン、佐野ラーメンを特集させていただきました。
この他にも佐野には沢山の佐野ラーメンのお店があります。
近くに行った際には、紹介したお店に限らず、ぜひどこかのお店で佐野ラーメンを食べてみて下さいね。
この記事が佐野ラーメンに興味を持つきっかけになったら嬉しいです。
喜多方ラーメン特集 元祖からレジェンド、新鋭まで勢揃い 至極の8杯+α
最後までご覧いただきありがとうございました。
ではまた、次回の記事でお会いしましょう!!